残存者利益

彼女はデザイナー。
仮に「H」としよう。

「H」は、書籍のレイアウトを組んだり、表紙をデザインしたりしてる。
ジャンルはムックやアニメ誌、ゲーム攻略本など様々。

「H」の世界にも「紙→ネット」の波はもちろん届いていて、
それで、デザイナーをやめてしまった仲間もいる。

けれど、彼女は生き残っていて、むしろ「多忙」。

残存者利益とはこのことか?

仕事が少なくなって、あるいはギャラの単価が下がって、DTPを見限った者もいる中で「生き残って」いる「H」は、ある意味、強かに(←したたかに、と読みます)時代に順応していると言えるのかもしれない。

DTPのギョーカイでは、仕事が減ると同時期くらいに、大規模な「OSやアプリケーションの更新」があって、それを同時に乗り越えることのできないデザイナーもいたのです。

OS9→OS10、
QuarkXPress→Adobe InDesign

というジャンプができずに、ある意味「DTPを見限った」者もいるわけで、はい、わたしもそのクチです。
(それでもまだ仕事があるのもDTPの不思議なところ。未だにOS9という年代物OSとQuarkXPress(クォーク・エクスプレス)がスタンダードという印刷会社も多い)

その中で「H」は早くからOS10に乗り替え、それ用のフォントを揃え、
Adobe InDesign(アドビ インデザイン)を使いこなしている。

それだけではない。

紙不況・出版不況の中で、苦労しているのは編集プロダクションや出版社も同じ。
で、編プロの社員はコロコロとクビがすげ替えられ、「ぼっちゃん」「じょうちゃん」のような子供が「担当」になって、業界歴の長いデザイナーやライターなどを振り回すこともあったりするワケ。


「ギョーカイ人のふりは、勉強してからにしろ!」

とか

「あなたバカじゃないの!」

とか

「ふざけんなこのガキ!!」

とか、口に出して言ってしまうわたしでは乗りこなせない「波」を、「H」は乗り切ったりしていたワケです。

で、今や、「そのギョーカイ」(どこじゃ?)では、引く手あまたのデザイナーになっておるとか。
いやはや、たいしたものであります。

これからも「紙の仕事」はなくなるわけではないですから、ある時期までキッチリと生き残れば、残存者利益というのもあるざんす。

残存者利益の関連記事

▲残存者利益トップに戻る